LDA2017 3限目【11/12】最終講

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「これからの地方での働き方」講座

8月のオープンキャンパスから3ヶ月、いよいよLDA2017の最終講です。
今回のゲストは宗像で活動の根を張る30代の3人。
NPO法人の設立や、新しい仕掛けをどんどん行なう彼らに共通するのは「やりがいを仕事にしている」という点。
やっていることもキャラクターも三者三様な彼らに、今に至るまでの経緯・行動を起こす動機・そして現状について、自己紹介を兼ねてお話していただきました!

立花祐平さん / NPO法人改革プロジェクト 代表

むなかた市民フォーラム 事務局長であり、NPO法人 改革プロジェクトの代表も務める立花さん。

立花さんは宗像市田久出身。
大学卒業後、就職した東京の会社でIT企業の法人営業を担当。好成績を挙げ順風満帆な社会人生活を送っていましたが、ある日ふと思います。

「自分には社会的価値がないんじゃなかろうか」

会社の看板の元では売上を挙げていて価値はあるかもしれない。でも個人としてはどうか?
「個人として価値ある人間になりたい!」
それがソーシャルな道を歩み始めるきっかけでした。

「さて何から始めようか?」
当時世界を旅する冒険家にも憧れていた立花さんは、「冒険家になるんだったら自然に愛される男にならなければ」と思い立ち、海岸清掃活動を始めます。
そしてある日、知人女性が夜道で襲われたことをきっかけに夜間の見回りを開始。それが、現在全国展開している「パトラン」へと発展していきます。

「失敗が人や組織を強くする」

二つの組織の代表を務める中で多くの失敗を経験してきたそうですが、立花さんにとってその失敗はとてもポジティブなものだといいます。
失敗は組織や人を魅力的にするし、そのエピソードは人からの共感のもと
多くの失敗を乗り越え、それを情報発信し多くの人の共感を得て今がある。立花さんのポジティブさがその活動のエンジンになっているのだと感じました。

仲西浩一さん / NPO法人メイクハッピー&ピース 代表

福岡教育大学卒業後、北九州市立大学大学院ビジネススクールへ進学し、NPOの経営について研究し、自身もNPO活動をしていた仲西さん。
学生時代に訪れたカンボジアで生活がままならない子ども達を目の当たりにし、いつかカンボジアに学校を作るという夢をもちます。まずは今の環境に合わせてできることから何かやってみようと、大学院を卒業してからは企業には勤めず自分のやりたいことをするという道を選びました。

「意味ある生き方をしたいけど、まずは生きていかないといけない」

2010年、NPOメイクハッピー&ピースをスタート。当初は国際協力の団体として、フェアトレード活動等を行っていました。その後、地域での活動も大切にしたいという思いから、2011年に農業や自然体験や居場所をつくる「いのちかがやくプロジェクト」、また2013年から子どものこころと学習のサポートを主な活動とする教育事業をスタートしました。2017年3月にNPO法人化し、同年6月から福祉サービス事業として放課後等デイサービス「ピース」も開始。多くの子どもたちや大学生たちが日々学び成長する場になりました。
NPOの立上げ当時はNPOだけだと生活が成り立たず、それまで培ったスキルをフル動員した「複数の小口収入」で生計を立てました。デザイン制作、WEB、動画制作、インターネット販売…など、できることはなんでもされたそうです!

「今はまだまだ道の途中ですが、助けてくれる人たちのおかげでここまでこれています。与えるから、与えられるんだなぁと感じます」

ぐいぐい引っ張っていくリーダーのようなキャラクターではなく、おっとり優しくてどこか頼りなさそうに見えてしまう。そんな仲西さんの周りには世代を超えた人々が集まり、あたたかい繋がりが育まれています。

谷口竜平さん / ブランディングディレクター・デザイナー

宗像市大穂に実家がある谷口さんは、両親が幼い頃に他界し、祖父母に育てられました。
小さい頃から田舎暮らしが嫌で、ずっとテレビの中の都会の生活に憧れていたそう。「将来は都会で働きたい」という希望のままに、実家を出てからは福岡市で仕事をしていました。そうしてしばらくのち、祖父母が他界します。

そして実家の古民家と納屋、そして7,200坪の里山を相続することになりました。(7,200坪は東京ドーム半個分、運動場でいうと5個分くらいです)
「こんな実家の土地は自分でしか扱えない。ここから何か生み出せないだろうか」。ディレクターの血が騒ぎます。
その後、この里山にツリーハウスを作るプロジェクトが立ち上がり、宗像初(?)ツリーハウスが完成。物置となっていた納屋はおしゃれなシェアオフィスに生まれ変わり、そこでは月に一度生産者と飲食店関係者・消費者が繋がる一品持ち寄りのバー、「バー洋子」が開催されていきます。
これまで宗像になかった粋なものを次々と生み出し、人の集う場所を作っている谷口さん。どんなことを意識して取り組んでいるのでしょうか。

いきなり0から1を作ろうとしない

「0.1とか、0.01でもいいから少しずつ積み重ねていくことが大事だと思ってます。いきなり1を積み重ねようとして失敗してやめちゃう人も多いですし」
また人を集めるには、人に興味をもってもらうこと。そして継続して続けること。長く続けることで多様な仲間が増えるなど、得られる効果が多くあるといいます。「だから必然的に自分が楽しんでやることです。無理をしなくていい程度に、ゆるく楽しんで」

都会ではできない、田舎でしかできないことをここ宗像で。谷口さんのワクワクは宗像市を越えて、福岡県全域に拡大中です。

Q.失敗したとき、立ち直るまでに時間がかかります。どうやって立ち直っていますか?

立花「失敗を分析します。なぜ失敗したか。これを何に活かせるか。立ち直るというよりはしっかり向き合って、考える時間をとってます」

仲西「今は失敗を失敗と認識していないかも。昔は失敗は怖かったけど、やってみないと先には進めないし」

谷口「失敗と失敗と捉えてません。その事象は起こるべくして起こっているし、なぜそうなってしまったのかを考え、次は別のやり方をしようとします。以降はより精度が上がっていきますよ」

Q.みなさんのおっしゃることがこれまでの価値観と逆でとまどっています。批判や反対にはどう対処しているんですか?

立花「未だに『いつ働くの?』と知人に言われたりします(笑)。いかに見せるか、ですよね。何くそ!見返してやる!と思ってやってます」

仲西「会社に勤めることが安定なのか?と考えています。本当の意味での安定は自分が力をつけていくしかない。やってみないとわかんないですよね」

谷口「近所の人はどちらかというと共感してくれていて、反発はないです。ようやっとるね、と。これから自分が事例をつくっていきたいな」

☆お昼ご飯☆

今回は昼食付き。メニューはむなかた牛照り焼きハンバーグドッグ川上農園のカボスマヨネーズソース)に宗像産カリフラワーのクリームポタージュスープ宗像野菜のサラダ 人参ドレッシングです!


どれも超絶美味しかったです!山田さん、本当にありがとうございました!

お腹も満たされたのち、今度は参加者のみなさんに出していた宿題を発表してもらいました。

お聞きしていた質問は3つ。
①これからやりたいことは?
②夢までの段階でいうと、今どこにいますか?LDA1限目「夢の見つけ方・追いかけ方」を参照
③今あなたができることはなんでしょう?

みなさんのやりたいことと夢までの段階は様々でした。「今自分ができること」の行動目標も抽象的なもの、具体的なものといろいろでした。
その後は3人のゲストの元にそれぞれ分散してもらい、行動目標をより具体的にするために意見交換をする時間に入りました。

一足先に自分の道に進んでいるゲストの3人の視点や、他の参加者などの第三者からのアイデアが加わることで、自分一人で考えてきた行動目標とは違った気づきがみなさんあったようです。
「自分の今すべきこと、できることが少し違っていたんだと気づかせて頂きました。人は一人ではなくみんなと情報を共有することで色々と変わることができるんだと思いました」という声も。素晴らしい気づきです!

まとめ

最後に今回のLDA2017での気づきや目標を宣誓!みなさん素敵な笑顔☆

  

・自分の目指している場所のはるか先を突き進んでいる皆さんの話を聞いて視野が広がり、可能性も広がり、ワクワク心が爆発しました!

  

・やりたいことが漠然としていて、それをそのままにしていましたが、これからはもっと自分の好きなことをつきつめたい!いろんな人と繋がりたい!と言う気持ちをもてるようになりました

  

・物事に対する考え方が変わりました、何事も自分一人で抱え込まないことだと思いました
・できない自分も、不完全な自分もOKだということ。今の自分のままマイペースに進んでいこうと思います

  

・改めて、日常接することのない人と交流し、自分にはない価値観・考え方を吸収することの大切さを学びました。

・仲間づくりの大切さに気づくことができました。やっていることは違っても、目指す方向性が同じ人たちと繋がっていくことで自分や相手の可能性を広げていけるのだと思います。LDA楽しかったです!
(感想はアンケートより)

一歩前に行動を起こすためには、その行動に共感し、応援しあえる仲間がいることが大きなエネルギーになる。そして一人で考え込まず、先を行く人や第三者視点も織り込むことでもっと魅力的な道が開拓される可能性が広がるということが、LDA2017を通してわかりました!

この繫がりから新しいイノベーションが起こることを期待して、Local×Design Academy 2017のまとめといたします。

長文にお付き合いいただきありがとうございました!

担当:執行

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