【コラム】03.僕たちにまとわりつくジレンマ

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「日本の海から魚が消える日」

こんな見出しやフレーズを目にした方は多いはずです。

年々減り続ける海洋資源を危惧し、50年以上も昔から資源保護の重要性や乱獲防止策の指針が示され、いろいろな対策が実施されてきましたが、資源は枯渇し続けているのがこの国の水産の現状です。

日本の海洋資源枯渇問題はとても深刻です。その原因は気候変動によることもさることな がら、十分な資源管理システムが出来ていないがための実質「乱獲」と言わざるを得ない要因がとても大きいでしょう。

「魚は獲らなければ増える」

これは周知の事実であり、数多くの実証データも存在します。

資源管理を行い、次々と資源を回復させている国が現れている中、日本が一向に改善できない裏には、 僕達が漁業を行う上での特有のジレンマがあります。

僕自身も漁師として海と向き合う中で、 資源の枯渇を痛いほど肌で感じ、資源管理の重要性を訴えている一方、魚を獲らなければ生きていけません。

また、自分たちが獲らなくても他の誰かが獲ってしまう。ならば、大規模な禁漁というのも一つの手ですが、それは魚屋さんなどにとっ ては死活問題。

数年間の禁漁で魚が増えても禁漁後に買ってくれる魚屋さんがいなくなったので は本末転倒なのです。

日本の海の多様性も資源管理政策の難易度を高めていると言われています。豊富な魚の種類や漁の種類の多様さが、海外での成功事例が通用しない原因です。

しかし、そうも言っていられま せん。この国に特化した資源管理政策、そして持続可能な生産のあり方をどう実現していくべきなのか。

それは本当に実現可能なのだろうか….。

宗像海人航海日誌(3)

権田 幸祐
1984年6月25日生まれ。
先祖代々続く漁師の家に生まれる。春から秋にかけては巻き網漁、冬はトラフグ漁に従事する傍ら
漁業を盛り上げるべく日々奮闘中

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