まちづくりのすゝめ【ブランディングのすゝめ】

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メイトム宗像の結工房で「まちづくりのすゝめ」第4回目の講座、【ブランディングのすゝめ】が開催されました。最終講座となる今回は、宗像市内を中心に11人の参加者が集まりました。

株式会社 チカラ

 今回お話いただいたのは福岡市に拠点を置く株式会社 チカラの代表、元木さん。チカラは「言葉のチカラで愛と平和を」をブランドコンセプトに、企業や商品などのブランディング、パンフレットや社史、会報誌などの編集、文章の学校などのスクール事業を手掛けています。フリーで仕事をするイメージの強いライターが組織化している、少し変わった会社でもあります。

 元木さんは出版会社勤務に始まり、フリーライター、バンドでメジャーデビュー、飲食店開業、ラジオナビゲーターなど、さまざまな経歴の持ち主。元木さんの今に至るまでの物語を一冊にまとめた「コトバのチカラBOOK」と、チカラが手掛けるさまざまな仕事がわかる「コトバのチカラ ポートフォリオ」を今回寄贈いただきました。興味のある人はぜひNPOセンター窓口へお声掛けください。

ブランディングとは?

 「かっこいいデザインを作るのがブランディング」というイメージを持つ人も多いブランディング。元木さんは「ブランディングのすべては、ものさしとなる『言葉』を生み出すことから始まる」と言います。

語源は“brand”

 ブランドの語源は「焼き印を押す」という意味の「brand」からきています。焼き印は他のものと差別するためにつけるもの。ブランドとは「他との差別化」です。

 ブランディングは「ある商品、サービス、もしくは企業(組織、地域)の全体としてのイメージに、ある一定の方向性を作り出すことで他者と差異化すること」をいいます。ブランドが生まれ、他と差別化できるようになると「人から取られなくなる」のと同時に、そのものに「責任が生じる」ようになります。そして、他のものとの違いを正しく認識してもらうことも重要になってくるといいます。

マーケティングとの違い

 「マーケティング」と「ブランディング」という言葉はよく似ています。それらの意味は重なる部分もありつつ、明確に違う部分があります。
 マーケティングは「売り方」を考えるもの。「どうすればたくさん売れるのか」という戦略を考える、「売るゲーム」と考えるとわかりやすいかもしれません。マーケティングの手法の一つに「広告」があります。対して、ブランディングはゲームに例えて言うなら「伝言ゲーム」です。企業を例にすると、人がその企業に対して描くイメージが企業自身の目指している姿に近ければ近いほど、ブランディングは成功していると言えます。

なぜブランディングが必要なのか?

 そもそもブランディングが成功することでどんな良いことがあるのか?なぜブランディングが必要なのかを教えてもらいました。

選んでもらえる

 ブランディングが成功していると、「このブランドだから」という理由で選んでもらえます。ディスカウントショップで似たような他社商品と並べられていても、手にとってもらえる。新商品を謳っていなくても、選んでもらえる。または販売専門店に足を運んでもらえる。これはブランディングによる大きな成果です。

大切な3つのポイント

 ブランディングを成功させるために何より欠かせないのはファンをつくること。お客さまにいかに好きになってもらうかが重要です。そのための3つのポイントを教えてもらいました。

①一貫性

 ブランドに関わるスタッフ全員が企業・事業・製品の魅力や独自性を常に同じ内容で語ることです。そうすることでお客さまは安心します。全ての判断基準はブランドコンセプトなので、常にそこに立ち返ることで軸がぶれなくなるといいます。

②明瞭性

伝えたいものが複雑だと伝言ゲームは難しくなります。わかりやすいことでお客さまの中にブランドが育ちやすくなるのだそうです。

③継続性

スタッフ及び、企業・事業・店舗が、その魅力や独自性を常に大切に考えていることがお客さまに伝わります。その結果、お客さまとの間に信頼関係が生まれてきます。

ブランドコンセプトのつくり方

 全ての判断基準になるブランドコンセプト。それは「己を知る」ことから始まります。ブランドアイデンティティを探すために、他との差別要因は何なのかどんなお客さまに来てほしいのか、逆に来てほしくないお客さまはどんな人かなどを突き詰めていきます。将来実現すべき未来について考えたり、自分たちが今どこにいるか、現在地を確認することも大切です。あらゆる視点から自身を見つめ直し、ブランドコンセプトが確立すると、やらなくていいことがはっきりし、一貫性に磨きがかかってブランドイメージが作られていくのだといいます。

まとめ

 ブランドのものさしとなる「言葉」を生み出すお手伝いをしているチカラ。ブランディングは企業に関わらず、地域ブランドでもNPOでも個人でも、差異化するものは何かを考えるというところでどれも同じだといいます。選ばれる組織や個人になるための第一歩は、何者でありたいかを突き詰め、言葉を選び、紡いでいくことが大切だということがわかりました。
 参加者からは「ブランディングについて知れてよかった」 「全て興味を引く内容だった」 「ラジオから流れる声や内容に惹かれていた。今回直接お話を聞くことができて嬉しかった」などの声が寄せられました。

 チカラでは文章の基礎的な能力を高めるオリジナルプログラム「文章の学校」も開校しています。ライターを目指す人だけでなく、仕事や大学入試対策としても役に立つ内容なのだそう。興味のある人はぜひのぞいてみてください。

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