
2月26日(水)、市民活動・NPOセンター主催の「まちづくりのすゝめ2024」第4弾!実践編『成功事例から学ぶ!アイデアを形にする実践講座』を開催しました。市内外から15名が参加し、実践者のリアルな経験談に耳を傾けました。
「まちづくりのすゝめ」とは?
市民活動やまちづくりを実践するときに役立つノウハウを学び、これからの活動に活かすための講座です。2024年度は「スキル編」「デザイン編」「ツール編」「実践編」のテーマに沿って全4回開催。
講師の紹介

お話を伺ったのは、福岡県岡垣町でクラフトビールブランド「フクオカクラフト」を展開する杉山芳文さん。飲食業からスタートし、国内外に飲食店を展開。メキシコ料理やクラフトビール、大名ソフトクリームなど、独自の発想と行動力で次々と新しいチャレンジを続ける“実践者”です。
講義スタート!
「仕掛けを成功に導いてきたコツって言われると、ちょっとお恥ずかしい。逆に失敗してきたことをいろいろ聞いていただきながら参考にしてもらえたら。」と杉山さん。メキシコ料理店から始まり、クラフトビール事業を展開することになった経緯や失敗から学ぶことの大切さについてお話していただきました。
キーワードは「好き」「行動」「失敗からの学び」
杉山さんのキャリアは、“料理が好き”という想いからスタート。「好きなことを仕事にできたら」と、20代で大分から福岡へ。そして本場の味を追い求めてメキシコへと渡ります。メキシコでの修行時代は月給2万円、家賃4万円の赤字生活だったと言います。それでも夢と希望を持って働き、2年間の経験を経て日本に帰国します。
帰国後にオープンしたメキシコ料理専門店「エルボラーチョ」のお店は人気を集め、その後はクラフトビールのお店やソフトクリーム専門店、さらには海外でのラーメン店の挑戦へと活動の幅を広げていきます。
事業を展開していく中、通販事業に挑戦するも広告費で赤字が続いた経験や、メキシコでタコス店を開いたものの2年で閉店したことなど、具体的な失敗談を交えながら語ってくれました。その中でも、「動き続けることの大切さ」や「失敗してもまずはやってみることが大事」と、何度も強調されていたのが印象的です。
変化に強く、しなやかに挑戦し続ける

大名ソフトクリームでは、フランチャイズ展開の際に出店場所やタイミングが合わず閉店に至った経験をふまえ、現在はライセンス契約という形に切り替えています。今では、見た目のユニークさや空気を多く含んだ “逆さにしても落ちない” ソフトクリーム🍦が話題を呼び、SNSなどでも注目を集めています。また、コロナ禍で飲食業の売上が落ち込む中、自社で造るクラフトビールの販路を広げるため、生ビールだけでなく缶や瓶でも販売できる体制へと切り替え、事業再構築補助金を活用してこの困難を乗り越えました。
こうした挑戦の軌跡からは、“柔軟な戦略”と“想いを実現する力”が伝わってきます。
地域とつながり、価値をつくる
岡垣町にクラフトビール工場を構え、地元の農産物を使ったビールづくりや、地域企業と連携した商品開発など、地元とともに歩むビジネスに力を入れている杉山さん。さらに、地元の地下水を使った水資源事業にも取り組み、地域の魅力や資源を活かした事業づくりを進めています。
「地元に根差した企業は、まちの魅力を引き出す存在になる」と語る杉山さんの姿には、地域とともに成長する企業の在り方が感じられました。
参加者の声

✏️「話が面白く、時間があっという間だった」
✏️「失敗も含めて、行動することの大切さが伝わった」
✏️「自分も何か始めてみようと思えた」…など
参加者の表情からも、講座の中で多くの“気づき”が生まれたことが伝わりました。
おわりに
杉山さんの「好きなことに正直に」「失敗を恐れずチャレンジし続ける」姿勢から、多くの学びがありました。失敗や困難を経験しながらも、柔軟な発想と行動力で道を切り拓く姿は、これからまちづくりや市民活動に取り組む私たちにとって、大きなヒントとなりました。
挑戦を続けること、そして地域とつながりながら価値を生み出すこと。その積み重ねが、まちに新しい風を吹き込む力になる。そんなことを改めて実感する時間となりました。
今後の予定
2024年度の『まちづくりのすゝめ』は終了となります。また2025年度も皆さんの広報発信、実践力UPへ向けて背中を押せるような講座を開催したいと思います。
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