【まちづくりのすゝめ2025】実践編「人の心を動かす 企画づくりのすゝめ」

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「まちづくりのすゝめ」とは?

市民活動やまちづくりを実践するときに役立つノウハウを学び、これからの活動に活かすための講座です。2025年度は「ツール編」「スキル編」「デザイン編」「実践編」のテーマで開催。

講師の紹介

講師は生まれも育ちも宗像市の、グラフィックデザイナー高崎信代さん。みなさん一度は見たことのある「むなかたのテンちゃん」の生みの親です。

東郷駅の近くでカフェ「Rococo(ロココ)」も営んでいる高崎さん。商工会のデザイン部門で講師をする傍ら、「ゆるっとキャラパーティー」などの2000人規模のイベントを企画開催したり、藤井聡太棋士の勝負おやつにも選ばれた「テンちゃんのラングドシャ」の商品開発を手がけたりするなど、幅広く活動されています。

そんな高崎さんから、テンちゃん誕生秘話や企画づくりについてお話を伺いました。

テンちゃんの誕生と、そこから始まった企画の数々

わずか15秒で生まれた、経済効果1億円のキャラ

今や経済効果1億円とも言われる「むなかたのテンちゃん」。その誕生は意外なほどあっさりしたものでした。

市の職員さんと「くまモンみたいなキャラがいればいいのに」という雑談をしていた高崎さん。「デザイナーなんだから作ってよ」と言われ、わずか15秒で描き上げたのがテンちゃんでした。大きな期待を背負わずに生まれたキャラクターが、のちに街を動かす存在になっていきます。

企画1:85万円の自己負担!?「大失敗」からのスタート

数々の企画を成功させてきた高崎さんですが、最初からすべてが順調だったわけではありません。テンちゃんの着ぐるみを作るためのクラウドファンディングでは、支援者への返礼品を豪華にしすぎてしまい、なんと大赤字に。
最終的に85万円の制作費を自腹で払うという、苦い経験を味わいました。どんなに活躍している人でも、最初からうまくいっていたわけではないのですね。そんな等身大のエピソードに驚き、思わず笑ってしまう参加者も。

企画2:逆境を逆手に取った「GoToテンちゃん」

念願の着ぐるみが完成した直後、今度はコロナ禍が襲います。イベントが軒並み中止になる中、高崎さんは「一人旅」という形で活動を開始。
軽自動車に着ぐるみを乗せて全国を回り、旅先で出会った人に写真を撮ってもらってSNSで発信する「GoToテンちゃん」を企画しました。

写真を撮ってくれたのは全く知らないその街の人々です。そのひたむきな姿が共感を呼び、出発前に10人だったフォロワーは、帰る頃には500人を超え、全国にファンを広げるきっかけとなりました。

企画3:「とりあえず」から始まった、累計5万枚のヒット「テンちゃんのラングドシャ」

博多マルイで5万枚(5,000箱)を完売した「テンちゃんのラングドシャ」。これほどの実績を聞くと「さぞ緻密な計画や予算があったのだろう」と思われがちですが、実は驚くほどの「見切り発車」から始まったそうです。
最初は勢いで応募し、審査に通るたびに手作りの試作品や箱を必死に準備。そんな「その場その場の全力」を積み重ねた結果、商品化が決定しました。

「まずはやってみる」が、未来を連れてくる

クラウドファンディングでの苦い失敗、コロナ禍での手探りの一人旅、そして見切り発車で始まった商品開発。3つのエピソードに共通しているのは、高崎さんの徹底した「まず動く」という姿勢です。

高崎さんは自身の経験をこう振り返ります。
「売れるかわからないものに、最初から多額の予算をかける必要はありません。とりあえず始めてみて、うまくいき始めてから整えていっても、十分に間に合うことがわかりました」

企画を考えるとき、私たちはつい「予算がないから」「リスクがあるから」と、始める前に諦める理由を探してしまいがちです。しかし、本当に大切なのは完璧な準備ではなく、今できる範囲で一歩踏み出す「軽やかさ」。その小さなが一歩が、想像もしなかった大きな結果を引き寄せる鍵になるのです。

街への恩返しを「循環」させる

宗像市内外で愛されているテンちゃんは、実は非公式のキャラクター。高崎さんは、利用許可も料金も一切不要で「どんどん使って!」と呼びかけています。
そこにあるのは、キャラクターを育ててくれた街への深い感謝です。
「テンちゃんを使って誰かが潤えば、巡り巡って市の税収が増え、恩返しになる」という高崎さん。さらに、利用したことを教えてくれたらSNSで告知までしてくれるという、徹底した応援スタイルを貫いています。

成功の基準は「たった一人の喜び」

企画を立てる際、高崎さんが大切にしているのは「ターゲットを広げすぎないこと」です。
「たくさんの人に喜んでもらおうとは思っていません。誰か一人が心から喜んでくれたら、それで企画は成功なんです」
「誰かのために」という純粋な想いが、結果として多くの人を惹きつけ、今の活躍につながっています。

質疑応答

Q. 資金やモチベーションはどこから湧いてくるのですか?

「のんびり暮らそうと思ったこともありましたが、結局、働くことが性に合っていたんです(笑)。人一倍働くことで資金も生まれますが、それ以上に『お金がなくても意外となんとかなる』というマインドが、私を動かしている気がします」

Q. スキルはすべて独学ですか?

「はい。周りの要望に応えてきたら、自然と身につきました。ツールがAdobeでもWordでも、デザインの中身にその人のセンスが宿っていたら勝ちだと思っています。独学であることを恥じる必要なんて全くありません」

Q. デザイン力を高めるために意識していることは?

「趣味でもあるのですが、一人旅ですね。各地の観光案内所でチラシを手に取っては、『みんな素晴らしいな』と感動しています。自分以外の人が作ったものに触れ、素直に感動することが一番の学びになります」

参加者の声

  • お話がおもしろくてあっという間の時間でした!
  • 「お⾦」だけじゃない…⼈を呼び込むチカラがわき出ている⽅だと思いました。まず、やってみることだと!
  • 企業内や⽣活のためにすると⾝構えるけど、その企てとは別なんだなと思いました
  • 私⾃⾝、独学でデザインの勉強をしているのですごく感化されました

高崎さんの活動の根底にあるのは、自分を育ててくれた街や人への、飾らない「恩返し」の気持ちでした。
自分が楽しみ、誰かが喜び、それが結果として街の潤いにつながっていく。そんな幸せな循環の種は、きっと私たちの日常の中にたくさん転がっています。
「これなら自分も楽しめそう」「あの人が喜んでくれそう」 そんな小さなワクワクを、まずはできる範囲から、あなたも形にしてみませんか?


今後の予定

2025年度の『まちづくりのすゝめ』は終了となります。また2026年度も皆さんの広報発信、実践力UPへ向けて背中を押せるような講座を開催したいと思います。

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