2月4日(火)市民活動・NPOセンター主催「伝わるチラシデザイン講座」を開催し、広報に関心ある市民活動団体のスタッフなど30名が参加しました。
今回の講師はイラストレーター兼デザイナーで宗像市在住の Mohri Design 毛利清隆(もうりきよたか)さん。これまでに数々のデザインコンクールにて受賞されています。デザインの第一線で活躍する毛利さんからチラシ制作におけるデザインの基本を学びます。
1 まず、大切なのは『準備』。
イベントなどのチラシを作るとき、いきなりパソコンへ向かっていませんか? 実はパソコンへ向かう前に大切な作業があります。それは下準備です。
①理解
いきなりチラシ作りに取り掛かるのではなく、”誰に” “何を” “どう伝えたいか” をしっかり内容を理解しておくことが大切です。多少おぼつかなくても大丈夫。
②分析
伝えたいことがたくさん出てきたら優先順位をつけてみます。そしてイベントや参加者の雰囲気を思い浮かべてどんなデザインにするかイメージします。「日頃から意識して電車の中吊り広告や各地に設置しているパンフレットなどの情報を手元にストックしておくのも非常に役立つ。」と毛利さんはいいます。
③組立
①、②の作業を終えて、「さぁ!チラシ作るぞ!」とPCへ向かいたいところ・・ですが、この時点でもまだPCをさわりません。ここで行うのはラフスケッチの作成です。手を動かして、かくことで隠れていたアイデアがどんどん出てきます。毛利さんも制作時はかいて、かいて、かきまくります。
2 ようやく『デザイン』へ。
ここで大切なのは、1の情報にまとまりをつけることです。1の下準備が出来ていたらそんなに難しくはありません。
①整える
まとまりをつけるといっても、ただただそれぞれの情報を近づけるだけでは整いません。例えばA4サイズのチラシを作成する際は、紙面の中に枠を作ってあげてその中で情報を整理します。人は枠があるとその中で揃えようし、その結果、整い出します。書体や行間なども合わせて、写真の大きさなどもきちんと統一します。
②崩す
これまでの工程でやっと整ってきたデザインを最後に崩す作業に取り掛かります。ここでは見る人の目線が大切なポイントに。横書きのチラシ、縦書きのチラシによっても、人の視線の動きが異なります。
視線の動きも気にしながら大切な情報、強調したい情報を意識して大小、角度などをつけていきます。伝えたいターゲットやイベントの内容によって、書体や色にも変化をつけていきます。特に色づかいは難しく、あまりたくさんの色を使わずに色のトーンを合わせることで全体の雰囲気が出てきます。写真などを挿入する場合は、その写真の一部の色を使うと上手にまとまります。「色に対する人のイメージは共通しているので意識してデザインするとより伝わりやすくなる。」と毛利さん。色見本はアプリなどで参考にすることができます。
3 人の意見を聞く。
1、2の行程を終えたら出来上がったチラシは周りの人に見てもらい「人の意見を聞くことを大事にしてほしい」と毛利さんは言います。ひとりよがりになりがちなデザインにならないためでもあります。意見を参考に見づらいところがあれば、また整える。整えたら崩す。その繰り返しを幾度となく行って、思いの詰まったチラシの完成です。
講座を終えて、参加者からは・・
- プロのデザイナーさんでもまず理解・分析に時間をかけていること
- チラシには目的がある、当たり前だけど忘れがちだった
- 「作る」ことを目的とせずに「届ける」ことをゴールとして作りたい
- 「整える」と「崩す」の繰り返しの大切さがわかった ・・・などなどの声をいただきました。
たくさんの方のご参加ありがとうございました。