CIRCL-むなかた井戸端会議❸

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3月24日(木)、メイトム宗像 結工房で市民活動・NPOセンター主催『 CIRCL-むなかた井戸端会議➌』を開催しました。漁業や農業に関心を持つ参加者約10名が参加し、各々の思いを語らいました。

『 CIRCL-むなかた井戸端会議』とは…

宗像の今やこれからについて、対話を通じ、考えを巡らせながら深め、明日への行動につなげることを目的とした現代版井戸端会議です。

今回のテーマ:「漁」と「農」~宗像のこれからの10年を考える〜

宗像市で漁業や農業を営む2名のゲストを迎え、漁業・農業の今や未来について、ゲストの話をもとに少人数単位の車座で語らいました。

ゲストトーク①

ゲストトーク1人目は、宗像の海女ちゃんの本田藍さん。本田さんは小さいころから生物が好きで、高校教師から心機一転、2018年に宗像市の地域おこし協力隊として海女の修業を始めました。

海女発祥の地とも言われる宗像市鐘崎で海女の仕事をするようになった本田さんは、大変ながらも『毎日生きている』と実感しながら、心穏やかに毎日を過ごすことができるようになったといいます。まだまだ獲れる量が少なかったり、失敗したりすることもあるそうですが、本田さんが獲ったものを『おいしい』と食べてくれる人を見ると、苦労した分、嬉しさは格別なのだそうです。

本田さんが感じる漁業の課題

▷従事者不足

  • 漁業に従事するも定着せず、若い人が少ない
  • 漁獲高が年々下がっており、次の世代への引き継ぎが難しい

▷海産資源量と漁獲量のバランス

  • 有害生物の駆除と、その活用について模索する必要がある
  • 放流と漁獲制限の設定が必要

▷安心できる海産物の提供

  • トレーサビリティの導入と徹底が必要
  • 藻場の環境や海のごみ問題に取り組む必要がある

ゲストトーク②

ゲストトーク2人目は、農業福島園で稲作主体の農業を営む福島光志さん。祖父母から米農家を引き継ぐため、高校2年生の夏に祖父母の家に移り住み、大学で農業について学びを深めました。

福島さんは農家の人が楽しそうに無農薬について話をする姿を見て、無農薬での米作りを目指すようになりました。『すべては自然の循環の中にある。その中で生活させてもらっている』という考えのもと、工夫を重ねながら、自然の力を生かした無農薬の米作りを行っています。

福島さんの考える無農薬の米作り

「化学肥料は水に溶け込み、田から田へと流れ込むため、一人では純粋な無農薬は実現できない」と、福島さんは純粋な無農薬の米作りを実現する難しさを話します。水に溶け込んだ化学肥料はいずれ海に流れていくため、農薬を使わない米作りは海の環境を守ることにつながります。環境に優しい農業を実現するために私たちにできることは何なのか、話を聞きながらいろいろな思いが巡ります。

井戸端会議

それぞれの車座では、「海女の体験をしてみたい」 「子ども達が魚をさばく機会が欲しい」 「農業と接点をつくれないか」…など、もっと漁業や農業を身近に感じたいという声が上がりました。

また経験者の方は、実際に農業を営むことの難しさや、地域の皆で米を収穫することがなくなった、という時代の変化も語っていました。

まとめ

参加者からは「自分にできることは何かと考えさせられた、できることは協力していきたい」といった積極的な意見も出ていました。この井戸端会議の中では、それぞれが感じた課題をすぐに解決することはできませんが、それまで知らなかった地域の新たな一面を知ることで意識が向くようになるなど、日々の生活の中に小さな変化が生まれます。また、参加者同士のつながりや、新しい出会いをつくることができる場にもなっています。

「CIRCL-むなかた井戸端会議」は令和4年度もテーマを変えて開催していきます。次回は7月ごろを予定。開催時期が近くなるとメイトム宗像PENTAGONのホームページ、PENTAGONのFacebookや宗像市LINEでお知らせをするのでお楽しみに。

今回のゲストの紹介

・宗像の海女ちゃん 本田藍さん Facebook / Instagram
・農業福島園 福島光志さん ホームページ / Facebook

✳︎✳︎レポート作成✳︎✳︎
✏︎ボランティアライター たぐち さん

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