7月27日(水)、メイトム宗像 結工房で市民活動・NPOセンター主催『CIRCL-むなかた井戸端会議 ❹』を開催しました。
「宗像の10年後を予測したくて」「ゲストに会いたくて」「まちのことが知りたくて」など、参加のきっかけも年代もさまざまな7名の参加者が集まりました。
『CIRCL-むなかた井戸端会議』とは
宗像の今やこれからについて、対話を通じ、考えを巡らせながら深め、明日への行動につなげることを目的とした現代版井戸端会議です。毎回、テーマに応じたゲスト（話題提供者）の話をもとに少人数単位の車座で意見交換を重ねていきます。
今回のテーマ：「これからどう描く？宗像の10年後の未来」
2人のゲストスピーカーをお招きして、宗像の歴史をひもときながら「宗像の10年後の未来」をテーマに語っていただきました。
ゲストトーク①「大島村と宗像町の歩み」
ゲストトーク1人目は、元大島村長・現在塩爺の河辺 健治さん。大島で生まれ、大島で暮らす河辺さんに、島から見た宗像の歴史とこれからの大島についてお話いただきました。
- かつては大島に2000人近くの人が住んでいた頃もあったが、現在は約560人。人口が減ってくるとだんだん活動が難しくなる。
- 島の高齢化。現在、住民の約半数が65歳以上。「どうにもならん」とあきらめかけていたところ、大島に縁のない若い人たちがきて、島の人間には考えつかないことを始めている。大島にも新しい風が…
- 旧大島村と宗像市の合併後に、大島の資源を使って何かできないかと自宅で塩づくりを始めた。大島の塩はとても評判が良く、作っても作っても売れてしまう。
- 大島のこれから。漁業だけではやっていけない。だから、塩づくりを島の産業にしたいと考えている。
- 未来に何かを残していきたい、大島の誇りを残していきたい。
ゲストトーク②「団地のまちづくり」
ゲストトーク2人目は、福岡大学社会連携センター 助教・地域連携コーディネーターの山田 雄三さん。歴史学が専門の山田さんに、記憶をたどり時間軸から見るまちづくりについてお話いただきました。
- 「100年後の宗像はどんなまち？」「50年前の宗像はどうだった？」時間軸をどこで区切るかで、いろんな想いが生まれてくる。
- 何気ないまちの風景や記憶が、10年後、20年後、50年後…に何も残らないのは悲しいこと。当たり前すぎて残らない日常の記憶を次の世代に残そうと、2017（平成29）年より「ひのさと記憶プロジェクト」がスタート。
- 日の里地区の記憶（写真・証言・資料など）を収集・保存し、次世代に継承＋まちづくりの資源として活用することを目的とした活動。5年間で114名にインタビューし、ライフヒストリーを聞いた。
- まちを知れば知るほど、まだまだ知らないことがあることに気づく。そこからまちづくりの可能性が見えてくる。話を聞くことによってつながりも生まれる。「宗像のために」とか大きなことまでは考えていないけど、一人ひとりみんな “人” のことを考えている。
- まちの見え方が変わる。まちですれ違う人たち一人ひとりに人生があると思える。一人ひとりの人生に向き合うことで、一人ひとりが大事にされるまちへ。
井戸端会議 start！
ゲストトークごとに少人数の車座になって井戸端会議のスタートです。
ゲストスピーカーも交えて、参加者のみなさんと感じたことや想いを語り合います。限られた時間の中、会話は止まることなく弾んでいました。
参加者のみなさんの声
- 歴史を知ることで大島にますます愛着がわいてきました。井戸端会議の中で「塩爺の塩づくり大島ツアーをやりたいね」って話で盛り上がりました。
- まちづくりに以前から関心があって、今日参加することでこれからの課題が見えてきました。自分の中で気づきもあり、なんだかスッキリしました。
- 人のつながりを大切にしたら、健康なまちづくりができると思いました。またいろんな人と話したいです。
- 大島、日の里の知らなかった歴史を学ぶことができてよかったです。「平面から立体に見えてきた」という言葉が印象的でした。
終了後も参加者、ゲストスピーカーのみなさんがなごやかに交流する様子が見られました。
モヤモヤしたまま・・です。
CIRCLを通じて持ち帰ってもらいたいものは、明確な答えではなく、“気づき”。
それぞれが感じている課題に対して解決の糸口が得られる場ではありません。そのため、モヤモヤしたまま… という人も。でも今まで知らなかったことを知る機会になり、気にならなかったことが気になるようになり、明日からの日常がほんの少し変わります。また車座となって語り合うことで、参加者同士の横のつながりや縁も大切に育てる場となっています。
今回のゲストスピーカーの紹介
- 福岡大学社会連携センター 助教・地域連携コーディネーター 山田 雄三さん
次回『CIRCL-むなかた井戸端会議』は、12月に開催予定です。
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