CIRCL-むなかた井戸端会議❼

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7月26日(水)、メイトム宗像 結工房で市民活動・NPOセンター主催『CIRCL-むなかた井戸端会議 ❼』を開催しました。
「子育て、福祉の現状を知りたかった」「なにか役に立てることはないか」など、”福祉”というテーマに関心のある11名が参加しました。

『CIRCL-むなかた井戸端会議』とは

宗像の今やこれからについて、対話を通じ、考えを巡らせながら深め、明日への行動につなげることを目的とした現代版井戸端会議です。毎回、テーマに応じたゲスト(話題提供者)の話をもとに少人数単位の車座で意見交換を重ねていきます。

今回のテーマ:福祉のいまとこれから

今回は、2人のゲストスピーカーから「発達障がい」と呼ばれる子どもたちの “居場所づくり” や “周りの理解” の大切さについて、もう1人のゲストスピーカーからは生活保護制度の現状・課題などについてお話をしていただきました。

ゲストトーク①「子どもたちの居場所づくり」

1人目はNPO法人メイクハッピー&ピースの代表 仲西浩一さん。

仲西さんは兵庫県明石市出身。2010年、福岡教育大学大学院生の時に宗像市で市民活動団体「メイクハッピー&ピース」を立ち上げました。「共に生きる、暮らしをつくる」という理念のもと、途上国の国際協力、教育活動などに取り組んでいます。現在はNPO法人化し、放課後等デイサービスやフリースペース、こども食堂の運営も行っており、地域の子どもたちがそれぞれのペースで安心して過ごせる居場所づくりをしています。仲西さんから「子どもの居場所」についてお話をしていただきました。

・どういう場所が「居場所」になる?…  ”居るところ” “身を落ち着いていられるところ” “自分の存在を確認できるところ”(文献より)

・「子どもの居場所」とは?… 発達がゆっくりな子、自分のペースで過ごしたい子、その子にとっての居場所は一人ひとり違う。社会だって多様化し、組織で働く、個人で働く、職場で働く、在宅で働く・・などいろんな選択がある。

・心に寄り添い、成長を伴走する=子どもたちの居場所づくりに大切

・自分たちの活動からつながりがある子どもたちは現在130人ほど。実際にはもっと多くの発達障がいや不登校などの子どもたちがいて、自分たちだけではどうにもならない数。

・『子どもたちの居場所をつくる』↔️『共に生きる、暮らしをつくる』↔️『わたしたちの生活が豊かになる』▶︎まわりまわって、こうなるのでは?という思いで日々活動している。

・これからの子どもたちの居場所づくりは、子どもたちの選択肢を増やすことが大切。家以外で、子ども一人ひとりの居場所が地域の中で増える。どこかで何かにつながれる場がある、そんな地域社会になってほしい。

ゲストトーク②「発達に凸凹(でこぼこ)がある子どもたちの子育てとその環境」

2人目はパパママ応援・ネットワークいろりの副代表 藤木有理さん。

藤木さんは、就学前の発達に課題のあるお子さんの保護者や育てづらさを感じている保護者を主な対象に、ペアレントトレーニングのプログラムなどを提供する活動をしています。メンバーそれぞれ、普段は療育に携わるお仕事をしています。発達障がいのある子どもを育てている自身の経験から、感じていることについてお話をしていただきました。

・「発達障がい」とは… ”生まれつきの脳機能の発達の偏りによる障がい”。わがまま、愛情不足とかではない。「発達障がい」という言葉だけが一人歩きしているように感じる。正しい理解がとても大切。発達障がいは、”困った人”ではなく、”困っている人“。

・発達障がいの種類は、自閉スペクトラム症(ASD)、注意・欠如多動症(ADHD)、学習障害(LD)など複数あり、それぞれの症状は一人ひとり異なる。

・発達障がいの特徴によっては口頭だけでは理解がむずかしかったり、想像力を働かせることが苦手だったりする。パニックを起こしても待つということの大切さ、特徴・特性への正しい理解が大切。「頑張ったらできる!!」🟰 ❌ 。

・子どもが成長にするにつれて症状や周りの環境が変わっていく。その時々でいろいろ不満はあってもあまりもめないように、人とのつながりは大事にしていきたい。それは子どもの居場所を失いたくない、という想い。成人式の日に息子に会いに来てくれる子を一人でも多く作ってあげたい。それが親(私)のつとめかなと思う。

ゲストトーク③「生活保護制度の現状・課題」

3人目は宗像市役所職員の吉田真二さん。

入庁して約13年福祉の業務に携わっている吉田さんから、生活保護制度について感じていることを個人の見解としてお話をしていただきました。

・新型コロナウイルス感染症の影響で生活保護の受給者が増えたイメージがあるが、窓口に相談に来られて実際に生活保護を受ける人は少ない。平成27年4月から始まった生活困窮者自立支援制度による一人ひとりの状況に合わせたサポートにより、事前に解決されることが多い。

・「生活保護」と聞けば「不正受給」が多いイメージを持たれる人もいるが、現場で対応していてそういう例は本当に少ない。本当に困っている人がほとんど。

・本当に困っている人、困っているふりをしている人(悲しいが実際ゼロではない)の見定めがとても難しい。受給していない人も納得できて、受給している人も非難されない… どうしたら?と、苦慮しながら業務に携わっていた。

・「福祉にたよる」🟰「ハードルが高い」と、あまり感じないでほしい。そのハードルをなんとか低くしていきたいという思いで業務に取り組んでいる。就労支援などを受けることで回避できるパターンも多いので困った時はまず相談に来てほしい。

井戸端会議 Time⏳

ゲストトークごとに4〜5人程度の車座になって井戸端会議の時間を挟みました。ゲストも輪に入って参加者のみなさんと感じたことや想いを語り合います。疑問を直接ゲストに尋ねる参加者もいて理解を深めようとする様子がとても印象的でした。

参加者の皆さんの声👂

・行政の方が一緒に会話の中に入ってくださったのが良かった。
・いろいろな視点での話を聞くことができた。
・福祉の活動をされている方々の深いお話が聞けた。井戸端会議は少し時間が足りなかった🌀
・日頃、交流することのないジャンルの人たちと交わることができて良かった。

モヤモヤしたままで、大丈夫!

CIRCLを通じて持ち帰ってもらいたいものは、明確な答えではなく、“気づき”。
それぞれが感じている課題に対して解決の糸口が得られる場ではありません。そのため、モヤモヤしたまま… という人も。でも今まで知らなかったことを知る機会になり、気にならなかったことが気になるようになり、明日からの日常がほんの少し変わります。また車座となって語り合うことで、参加者同士の横のつながりや縁も大切に育てる場となっています。

なるべくハードルを下げて色んな人が参加してくれたらいいな、という思いでこれからの宗像について語り合う場『CIRCL(サークル)』を開催しています。次回の開催もぜひ楽しみにしていてください!

今回のゲストスピーカーの紹介

👑NPO法人メイクハッピー&ピース 代表 仲西浩一さん
 ▷HPはこちら

👑パパママ応援・ネットワークいろり 副代表 藤木有理さん

 ▷HPはこちら
 ▷Instagramはこちら

👑宗像市役所 職員 吉田真二さん

 ▷宗像市HPはこちら


次回『CIRCL-むなかた井戸端会議❽』は、9月に「Well-being 地域で自分らしく暮らす・働く」をテーマに開催予定です。
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