11月6日(水)、市民活動・NPOセンター主催の「CIRCL-むなかた井戸端会議⓫」をメイトム宗像で開催し、近年頻発している自然災害などへの防災対策に関心のある11名の参加者が集まりました。
「CIRCL-むなかた井戸端会議」とは?
宗像の今やこれからについて、対話を通じ、考えを巡らせながら深め、明日への行動につなげることを目的とした現代版井戸端会議です。毎回、テーマに応じたゲスト(話題提供者)の話をもとに少人数単位の車座で意見交換を重ねていきます。
今回のテーマ:「わたしたち」の防災計画
講師には北九州市立大学 地域共生教育センター 地域創生学群 准教授の村江史年さんをお迎えしました。講演は村江先生がボランティアで足を運ばれた能登半島での豪雨災害の被害状況の紹介に始まり、地球温暖化の影響と「地球沸騰」の概念、災害の種類と対策など、多方面にわたりました。現在自由ヶ丘地区で取組んでいる地区防災計画制度の作成についても触れ、地域コミュニティでの防災活動や協力関係の構築についてもお話をされました。
地球温暖化と頻発する自然災害
- 2023年7月、国連事務総長 アントニオ・グレーテスは「温暖化の時代は終わった」「地球沸騰の時代が始まった」と警鐘を鳴らした(参考記事)
- 過去20年を遡ると、地震や豪雨などによる自然災害が起こらなかった年は一年もないことがわかった。豪雨からの土砂災害、河川氾濫など、災害規模も大きくなっている
- 本来公的な支援をしてくれるであろう場所が機能しないほどの災害が多発。公助にも限界がある。自分たちの地域のことを把握した上で、どんな対策をしなければいけないのかを考えておかないと、いざという時に機能しない
災害の種類と対策
災害には「気象災害」と「地象災害」の2種類があります。それぞれの特徴と必要な対策は以下の通り。
気象災害
- 台風・豪雨など、災害発生の兆しがあるもの
- 週間天気、台風の進路予測など、事前に情報が得られる
- 「明日台風が来るらしいから、一緒に避難しておこうよ」など、事前に地域の一人暮らしの高齢者に声掛けができる
- 地域での助け合い、「共助」が生かされる
地象災害
- 地震・津波・火山など、災害発生の兆しがないもの
- 緊急地震速報はあるが、現代の科学力で事前に予知することは不可能
- 日頃からの備えと、自分の命は自分で守るという「自助」が生かされる
地域防災計画の重要性と課題
- 2014年4月に地区防災計画制度が開始。住民や事業者が自主的に防災計画を策定し、地域防災計画に提案できる「住民主体のボトムアップ型の取組み」になった。これにより全国各地の自治体では、地域の特性に合わせたハザードマップの作成や情報伝達訓練など、具体的な取り組みが行われている
- 市が作成するハザードマップも大切だが、地域に長く住んでいる人はその中で示されていない危険な場所を知っていたりする。地域の特性や歴史を反映したハザードマップを作成し、新旧住民間で知識を共有することが重要
- 住んでいる地域で「本当に機能する」緊急避難場所を見つけておく。学校・公民館などの行政施設の他、商業施設の立体駐車場や屋上、民間施設の寮や幼稚園、地域のお寺、マンションなど。施設と住民同士で話し、マニュアルを作成する
- 防災活動はコミュニティの活性化につながる可能性も秘めている。日常的なイベントに防災要素を組み込む「ながら防災」がおすすめ
【校区の運動会×防災】例えば、借り物競走で防災グッズを集めるなど
【お餅つき×防災】災害時の炊き出しを意識してお餅つきを開催するなど
【川清掃×防災】川のゴミを拾いながら豪雨災害時の氾濫など、川の働きを学ぶ機会にする
【学校×地域の防災訓練】学校と地域で連携して防災教育を実施するなど
井戸端会議スタート!
村江先生からは「どうしたら地域全体の防災に関しての意識が高まっていくのでしょうか?」「みなさんの地域でどういった取組みができると思いますか?」とお題が投げかけられました。実際地域でやっていること・市ができること・コミュニティでできること・個人でできることなど、車座になって感じたことや想いを各々話していただきました。
参加者の声
- 全自治会ごとに避難マニュアルはあるが、いざという時には運用できると思えない。使えるマニュアルに変えていくということを目標に、自治会単位で頑張っているところだ
- 「ながら防災」に関して、運動会の種目の一つに防災をテーマにしたものにしてみたい
- 地域内でのつながりづくりは、犬の散歩をしている時に近所の人に挨拶や話してみるなど、小さなことからスタートさせたらいいのでは
- 自由ヶ丘地区防災計画の策定が進められているが、動き出すのにもタイミングも大事だった。地域住民間で「考えないとね」という声が出ている時に、市から提案があり、タイミングが良かった
最後に村江先生は、「どういった側面からでも防災と絡めることができる。正攻法でもそうじゃない方法でも、楽しみながら学ぶのが大切ではないか。ぜひ、災害が起こる前に」と締めくくりました。
モヤモヤしたまま・・です。
CIRCLを通じて持ち帰ってもらいたいものは、明確な答えではなく、“気づき”。
それぞれが感じている課題に対して解決の糸口が得られる場ではありません。そのため、モヤモヤしたまま… という人も。でも今まで知らなかったことを知る機会になり、気にならなかったことが気になるようになり、明日からの日常がほんの少し変わります。また車座となって語り合うことで、参加者同士の横のつながりや縁も大切に育てる場となっています。
次回の「CIRCL-むなかた井戸端会議」は、1月に開催予定です。
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