
7月30日(水)、市民活動・NPOセンター主催の「CIRCL-むなかた井戸端会議⑬」をメイトム宗像で開催し、宗像市の産業の現状と魅力について関心のある8名の参加者が集まりました。
今回は、宗像市産業政策課とのコラボで「産業」をテーマに開催。
市が策定を進めている「宗像市産業振興計画」の背景を共有しながら、市職員、地域の事業者や市民とともに、宗像のこれからの産業について語り合いました。
「CIRCL-むなかた井戸端会議」とは?
宗像の今やこれからについて、対話を通じ、考えを巡らせながら深め、明日への行動につなげることを目的とした現代版井戸端会議です。毎回、テーマに応じたゲスト(話題提供者)の話をもとに少人数単位の車座で意見交換を重ねていきます。

今回のテーマ:「近隣エリアに負けない!宗像の魅力をみんなで考えよう 〜産業編〜」
ゲストトーク①「宗像市の産業の現状」
1人目のゲストは、宗像市産業政策課の花田さん。市内の企業数や売上高、産業構造などのデータをグラフで示しながら、宗像の産業の現状についてお話していただきました。

特に共有されたのは、「ベッドタウンとしての宗像」という地域の位置づけと、「教育・福祉などの生活密着型産業が強い」という特徴です。
花田さんのお話しからは、次のようなポイントが印象的でした:
- 企業数はやや減少傾向にあるものの、従業員数はほぼ横ばいで、企業の統合や大規模化が進んでいる。
- 産業構造は「卸売・小売業」「飲食・宿泊業」「医療・福祉」などが中心で、特定分野に偏らないバランスの取れた構成となっている。
- 教育関連の売上が非常に高く、教育・研究機関の存在感が大きいのが宗像の特色。
- 女性の創業が増え、男女比がほぼ同等に。起業に対するハードルが以前より下がってきている。
- 観光客は高齢層が中心で、多くが宗像大社を目的に訪れている。若年層へのアプローチが今後の課題とされている。



「宗像の産業には長所も短所もある。だからこそ社会状況の変化を捉えつつ、それらを正しく理解し、“これから何を選び、どこを伸ばしていくか”を皆で考えることが大切です」と花田さんは語り、「市民・事業者・行政、それぞれの “やってみたい” “やってほしい” をつなぐ政策にしたい」という想いも共有されました。
参加者からは共感のうなずきやリアクションが見られ、このあとの井戸端会議での対話にもつながる時間となりました。
ゲストトーク②「未経験からの起業体験」
2人目のゲストは、宗像市でコンフィチュール専門店「Maison Swallow(メゾンスワロー)」を営む相部麻里さん。

移住者として宗像に魅せられ、ゼロから事業を立ち上げたリアルな経験を、創業のきっかけから販路拡大、行政支援の活用まで具体的にお話していただきました。
相部さんは、宗像の食材の豊かさ・おいしさに感動し、「自分が作ったもので宗像の魅力を伝えたい」と起業を決意。農家とのつながりや資金面の工夫など、スモールスタートを意識しながら2023年3月に販売を開始されました。
Maison Swallowでは、規格外や余剰の農産物を活用し、農家・商品・顧客をつなぐ「三角形(トライアングル)」の関係を築くことを目指しています。
また、事業の各ステップで宗像市の支援制度を段階的に活用してきたことも紹介されました。
- 創業初期には「創業者応援補助金」を活用し、契約や経理体制の整備をサポートしてもらえた。
- 事業の方向性に悩んだ時期には「伴走型創業支援」を活用し、ブランド強化・価格設定の見直しなどに取り組んだことで、売上や取引先の拡大につながった。
- 展示会出展時には「頑張る中小企業者応援補助金」を利用し、市内のデザイナーやカメラマンとの連携にもつながった。
制度を通じて得たのは金銭的支援だけでなく、「地域の人とのあたたかいつながりだった」と語られ、参加者からも多くの共感を集めました。
井戸端会議スタート!
車座になっての井戸端会議では、ゲストの花田さん、相部さんと参加者のみなさんで、それぞれテーマをもとに自由に語り合う時間を持ちました。
井戸端会議① テーマ「飲食店やお店が魅力的な福岡の地域は?」
「近隣エリアに負けない宗像の魅力」と「飲食店や魅力的に感じる街・地域」を比較しながら、宗像の足りないところをどう伸ばしていくか?、それぞれの想いを語り合いました。
- 福岡市や糸島には人が集まるが、宗像にはPRが足りない
- 古民家を活用した観光拠点をつくりたいが、市街化調整区域の壁がある
- イベントや発信の“パンチ力”がもっとほしい …などなど
宗像には観光や食などの資源はあるものの、それを“伝える力”や“出会う場”が不足しているのでは?という意見が出されました。
井戸端会議② テーマ「事業者に出来る支援はなんだろう?」
事業者をバックアップできる仕組みや、事業者が「こういったことがあれば嬉しい」と感じることについて語り合いました。
- 創業時にチャレンジできるスペースがほしい
- 市の補助制度はあるが、情報が届いていない人もいる
- 空き家や空き店舗と“使いたい人”をつなぐ仕組みが必要
- 行政イベントと連携したPRの場などがあれば良い …などなど
参加者からは、宗像の事業者を支援するための具体的な提案がたくさん挙げられました。



参加者の声
- 普段は聞けない行政の話が聞けた。
- 地域の課題と希望が同時に見えた。
- 宗像をもっと魅力的にする余白を感じた。 …などなど
「答えを出す場ではなく、“問い”を共有する場」として始まったCIRCLの取り組み。
今回は、産業というテーマを通して、行政・事業者・市民がフラットに語り合う、じっくりと深める時間となりました。
グラフィックレコーディングも登場!

当日は、対話の内容をその場で可視化する「グラフィックレコーディング」も登場。(ハラダ@グラフィックレコーダー) 井戸端会議の様子が一目でふり返れるツールとして、参加者にも好評でした。
モヤモヤしたまま・・です。
CIRCLを通じて持ち帰ってもらいたいものは、明確な答えではなく、“気づき”。
それぞれが感じている課題に対して解決の糸口が得られる場ではありません。そのため、モヤモヤしたまま… という人も。でも今まで知らなかったことを知る機会になり、気にならなかったことが気になるようになり、明日からの日常がほんの少し変わります。また車座となって語り合うことで、参加者同士の横のつながりや縁も大切に育てる場となっています。
ゲストの紹介
次回の「CIRCL-むなかた井戸端会議」は、11月に開催予定です。
これまで開催した『CIRCL-むなかた井戸端会議』のレポートはこちらからご覧いただけます。
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