「ローカル×デザインアカデミー(Local Design × Academy 略してLDA)」は、地域の担い手が集うまちづくりの学校です。
今年で4年目の開催となるLDA2019。
テーマは、「企画を実現する方法」です。
1限目… 新しい視点で「まち」を見てみよう
2限目… 企画は誰でも実現できる
3限目… 企画の実現に欠かせないもの
誰もが企画を実現できる仕組みと具体的な方法を、「NPO法人 福岡テンジン大学(以下、テンジン大学)」の学長とその団体に関わる人たちから3回にわたって学びます。
8月22日(木)メイトム宗像の結工房で、2限目が開催されましたので、その様子をお伝えします!
講座:テンジン大学 授業コーディネーター
まずは、実際に企画をつくり実現してきた2人のテンジン大学授業コーディネーターから、そのノウハウと経験についてお話いただきました。
自分の企画はかわいい!でもあえて口を出してもらう
お1人目は、瀬戸晴加さん。
これまでに実現してきた企画(授業)は、2回。
瀬戸さんは、企画づくりをしていくうちに、掘り下げ方次第でおもしろい人はいくらでもいることに気づいたそうです。
また、気軽に行動してみようと考えるようになり、結果転職することになったとか。
「企画は1人でもつくれるけど、1人で最初から最後までつくってしまうと、どうしても突っ走ってしまうんですよね」と瀬戸さん。
だから、つくった企画はあえて複数人の目にさらす!
そうすることで、自分の弱点を補ってもらえるので、企画に自信がもてるようになるそうです。
例えば、瀬戸さんはアイデアを出すのは好きだけど、細かいところまで考えるのは苦手。
でも、みんなで企画をつくることで、自分1人だと思いつかない視点から企画を見てもらえて、さらに補ってもらえる。
結果自然と企画が工夫されていき、1人で考えるよりも企画を成長させられるそうです。
「仲間が増えることで、監督責任は出てきますが、結果につながりやすくなります」と瀬戸さんはいいます。
企画をつくることは、自分自身と向き合うこと
お2人目は、吉田篤史さん。
吉田さんは生まれもっての疾患により、声を使わずにパワーポイントやスマートフォン、そして表情やジェスチャーを使ってお話をしてくださいました。
そんな吉田さんがこれまでつくってきた企画(授業)は10回以上!
講師との打ち合わせや会場選び、時間配分、広報など・・・「最初はとても大変だったけど、企画づくりはおもしろい!」と吉田さん。
企画をつくる上で特に大変だったことは、考えていることを”文字に落とし込む”こと。
「なぜ、この授業企画をしたのか?」
「誰に伝えたいのか?」
「参加者にどうなってほしいのか?」
慣れてきた今ではスラスラ書けるようになってきたそうですが、最初はとても苦労されたようです。
でも何回か企画していくうちに、自分自身の軸(大切してるもの)が見えてきて、自分自身のことがわかってくるようになるそうです。
「企画を何度もしていくと、自分自身と向き合えます!」と吉田さん。
そして、吉田さんからも複数人で企画をつくるメリットについてお話がありました。
1人で企画をつくってしまうと自分よがりの企画になりがち。
みんなで企画をつくることで、自分にはないアイデアが出てきたり、一人ではできなかったことができるようになったりする。
「自分の中でロジックを組み立てつつ、他の人の意見をもらいながら企画していけば、誰でもおもしろい企画ができていきます」と吉田さんはいいます。
ワーク:企画をつくる
次はいよいよ参加者のみなさんが、ワークシート使って実際に企画をつくっていきます。
1限目のワーク「企画のアイデアを探す」で出てきたアイデアの種の中から、自分が一番興味のある(つくりたい企画に合う)テーマを選び、同じテーマを選んだ参加者同士でグループになります。
・日の里団地×体験移住ツアー
・外国人×宗像観光
・宗像大社×市外住民(観光)
・生産者×あまちゃん加工工房
などなど。
アイデアの種からどんな企画が誕生するのか楽しみです!
企画づくりには、「企画をやったことない人でも企画できちゃうワークシート」を使います。
・企画の種「アイデア」・・・気になる・ほっとけない・課題など
・Why?・・・なぜ企画したい?最初のきっかけ・想いは?
・What?・・・何を伝えたい?参加者にどうなってもらいたい?
・Who?・・・誰に伝えたい?どんな人に参加してほしい?
・How?・・・参加した人に伝えるために、どのような体験があると良い?
を掘り下げていき、徹底的に自分の考えや想いを言語化していきます。
「言語化することで、自分の気持ちに気づくことができ、次の行動へとつながる」
1限目でテンジン大学学長の岩永さんも言われていました。
まずは、1人でワークシートを作成し、次にグループ内で共有。
自分1人だと思いつかない視点からの意見をもらうことで、新たな気づきを得ることにつながります。
LDA2019 2限目を終えて
講座とワークを通して、企画は1人でもつくれるけれど、複数人で企画をつくることの大切さを学ぶことができました。
参加者の方からも、「いろんな人がいろんなことを考えていておもしろい。共感できる人と一緒に企画を進められるとおもしろいことができそうだなと思う」という意見をいただきました。
他にも・・・
「企画を作るために何を考えないといけないかがわかりました!」
「企画シートで着々と進めていけるので今後に役立ちそう。仕事やプライベートにも考えが取り入れられるのが良い」
「こんな風に他の業種の人々と話し合う機会がないため、貴重でありがたい」
「他人のいろんな想いに触れると良い刺激になる」
などなど、ワークシートを使うことで企画づくりの道筋が見えてきた、いろいろな方と交流することで良い刺激になったとのご意見を多数いただきました!
次回LDA2019 3限目「企画の実現に欠かせないもの」では、今回作成したワークシートをもとにグループごと(または個人)に企画を発表していただき、参加者全員でさらにブラッシュアップしていきます。
また、テンジン大学の授業の運営を影で支えるボランティアスタッフのお話から「企画の実現に欠かせないもの」のヒントを探ります。