【まちづくりのすゝめ2023】伝わるチラシデザインのすゝめ

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8月23日(水)、市民活動・NPOセンター主催の「まちづくりのすゝめ2023」第1弾!デザイン編『伝わるチラシデザインのすゝめ』をメイトム宗像で開催し、市内外から20名が参加しました。

「まちづくりのすゝめ」とは?

市民活動やまちづくりを実践するときに役立つノウハウを学び、これからの活動に活かすための講座です。2023年度は「デザイン編」「ツール編」「スキル編」「実践編」のテーマに沿って全4回開催予定です。

講師の紹介

講師はNPOセンター主催のデザイン講座ではお馴染み、Mohri Design 毛利清隆(もうりきよたか)さんです。

毛利さんにデザインについての講座をお願いするのは実はこれで3回目。毎回満員御礼となる人気の講座です。今回もチラシデザインにおいて大切なポイントをわかりやすく教えていただきました。さらに詳しく知りたい方は過去のブログもご覧ください。

「伝わるチラシデザイン講座」
「まちづくりのすゝめ①〜伝わるチラシデザイン講座〜」

いいデザインってどんなデザイン?

そもそも「いいデザイン」とはどんなデザインなんでしょうか?それを考えるところから講座はスタートします。

「いいデザイン」=「誰に何を伝えたいかが明確になっているデザイン」

この講座では「いいデザイン」のチラシを作成するためのポイントを学んでいきます。

デザインスキル向上のためにできること

デザイン力を上げるための秘訣は、日頃から「これ、なんか良いな」と思ったデザインをどんどん見ることです。チラシはもちろん、のぼりや看板、本の表紙やブランドロゴのタグなども。
それらを集めて眺めて、「どうしてこのデザインに惹かれるんだろう?」「何がいいんだろう?」を考えましょう。

デザインをマネするというよりは、良いところを分析して自分の中に落とし込むことが大切だと毛利さんは言います。

デザインの基本ルール

【準備】しっかり理解する

①「誰」に対しての発信?

ターゲットの絞り込みが一番大事です。

  • 対象は男性?それとも女性?
  • 学生に向けて?
  • 育児中の親に向けて?
  • 高齢者に向けて?

「どこに向けての発信なのか」でデザインが大きく変わってきます。ここを絞らず「全世代の市民に向けて」など万人ウケするデザインを目指すと新聞や市政だよりのような退屈なデザインになってしまうそう。

②「何」を伝えたいのか?

  • イベント開催を知らせたいのか?
  • 物を買ってもらいたいのか?
  • 人に集まってきて欲しいのか?
  • イメージアップのものなのか?

それによって見出しやチラシに必要な情報が変わってきます。

③どんなデザインに?(雰囲気・用途)

①と②が明確になると、デザインの雰囲気が定まってきます。

  • かっこいい系?
  • 可愛い系?
  • エレガントなイメージ?
  • カジュアルなイメージ?
  • 賑やかなイメージ?
  • 季節感は?

またどのように届けるかでデザインのアプローチが変わってきます。

  • DMとして送るのか
  • どこに配置するのか
  • どこに貼られるのか

例えばそれが「“駅”に貼られる“ポスター”」の場合、忙しく人々が行き交う場所でゆっくり立ち止まってポスター読む人はあまりいません。そう考えると、文字量は少なく、パッとみて理解しやすいデザインになってくるかもしれません。用途に応じて文字量も変わってくるのですね。

④伝えたいことの優先順位は?

伝えたいことを全て目立たせてしまうと、どの情報が一番大事なのかわからなくなってしまいます。しっかり優先順位を決めてあげることもポイントです。

【デザイン】守るべき4つのこと

①ラフスケッチの作成

「デザインを考えるとき、達人でもいきなりパソコンに向かうようなことはしません」と毛利さん。何かしら、手書きでいいのでラフスケッチを描くのがお勧め。効率が良くなるし、良いデザインもできやすいし、脳にも良いのだそうです。

②ひたすら整え、揃える

行間やブロックごとの幅、文字の始まりの位置などを揃えられるだけ揃えると、パッと見たときの違和感や気持ち悪さを取り除くことができます。余白があるとそこにイラストなどを配置したくなるかもしれませんが、きちんと整ったデザインは余白があっても不安にならないそうです。

③書体の種類と色数は極力抑える

書体について、

  • 本文に使う書体は基本的に明朝体ゴシック体
  • 癖の強い書体は本文には向かない
  • サイズの小さい文字はゴシック体の方が向いている
  • 使用する書体は3種類くらいに抑えるのがベスト

色について、

  • 視認性、見やすさが大事
  • たくさんの色を使うときはトーンを揃えることでまとまりをもたせられ、さらに余白に「白い面」を多く配置することでスッキリ見せることもできる
  • 自然色を取り入れると間違いない(空の青+雲の白、など)

④ポイントは厳選する

目立たせたい部分は動きをつけて他の部分とをつけましょう。

  • 大小の差をつける
  • 角度を変える
  • 書体・色を変える
  • 余白をつける

一箇所変化をつけたいポイントを決めて、他は徹底的に揃える/まとめる/整えることで目立たせることができます。

最後に…

完成したデザインは時間を空けて見るのがおすすめです。食事の時間を挟んだり、お風呂に入ったり。時間を置くことで客観的にデザインに向き合うことができます。

また人に意見を聞いてみるのも良いそうです。「好きじゃない」と言われたらどこが気持ち悪いのかを考えましょう。

参加者の声

今回は参加者に添削してもらいたいチラシを募集し、「こうしたらもっと良くなるよ」という具体的な提案を毛利さんが作成してきてくれるというサプライズがありました。具体的な改善策が学べたことで参加者の満足度も高いものになりました。

  • すぐに使える技から、考え方まで、たくさん学ばせていただきました。本当にありがとうございます
  • 全てのデザインに「理由」があるところに感動しました
  • 実際のデザインを見ながらの講義だったため、イメージしやすかった
  • 添削していただいて「こんなに変わるの!?」と感動しました。次回からのチラシがよくなりそうです。「しっくりこない」理由がきちんとわかってよかったです

などの声をいただきました。

具体的な改善策は参加した方だけの特典なので、レポートでお見せできないのが残念です。またの機会をお楽しみに!

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