まちづくりのすゝめ③【資金調達編】〜認定NPO法人 抱樸が実践するファンドレイジングすゝめ〜

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第3回「認定NPO法人 抱樸が実践するファンドレイジングのすゝめ」

11月25日(水)、メイトム宗像にて資金調達について学ぶ講座をオンラインで開催し、6名が参加しました。

右下▶︎ 講師の江田初穂さん

講師は、このコロナ禍に「家や仕事を失う人をひとりにしない支援」としてクラウドファンディングで1億1,500万円を集めた認定NPO法人 抱樸(ほうぼく)の総務部長 江田 初穂さん。抱樸が実践するファンドレイジングの取り組みについてお話をしていただきました。

2006年、北九州で行われていたホームレス支援の炊き出し活動に参加したことがきっかけで継続的にボランティアに参加するようになった江田さん。2009年、北九州ホームレス支援機構(現在の抱樸)に転職し、現在は管理部門担当者としてファンドレイジングや広報等を担当しています。

1万人以上が共感。

「今回の取り組みは自分たちだけでは達成できなかった」と江田さん。
この一大プロジェクトをともにゴールに向けて伴走してくれたのは外部のサポーター。クラウドファンディング手法、広報発信、資金面など、専門知識をもつプロのメンバーと役割分担をし3ヶ月間疾走します。実際には抱樸と外部からそれぞれスタッフが2〜3人、毎週打ち合わせを実施したといいます。

このプロジェクトを自分ごととして捉え、如何に共感してもらえるか?、如何に寄付をしてくれた人自身が仲間になっていく感覚を持ってもらえるか?
そのための広報の手法として・・・

・クラウドファンディングサイトは「READYFOR」を活用
・インターネットツールを活用し、1日に4〜5回ひたすら投稿
・露出を増やし情報を拡散
・抱樸ホームページでも専用のページを立ち上げ、ここからも取り組みがわかるよう情報を循環
・何のためにこのプロジェクトを実施するのか、伝わるように明文化

目的を伝わるように明文化するのはとても大事で、「当初、自分たちで作ったキャッチコピーに満足していたが、他から見たら言いたいことが伝わっていなかった。ホームレスの人たちをどのように支援するのか?具体的な内容が見えてなかった。自分たちだけでは、なかなかやり直せない。」と江田さん。
伴走者のプロのメンバーから的確なアドバイスを受けて、伝わるキャッチコピーで共感を得ることに。
3ヶ月を走りきった結果、寄付者は1万人を超え、「家や仕事を失う人をひとりにしない支援」プロジェクトを達成させます。
クラウドファンディングで集めた資金の使い道は、大きく3つに分けて現在取り組み中です。

短期間でこれだけの寄付が集まった今回のプロジェクトですが、
「最終的には、これまでの抱樸が行ってきた取り組みを見て寄付者が判断した。3ヶ月を振り返り、活動の実績を残すことと発信すること、その積み重ねがとても大切だと感じた。」と最後に江田さんは伝えてくれました。

自分たちの活動を知ってもらう、共感してもらうためには、活動の足跡を丁寧に残していくこともとても重要な作業であると感じた講話でした。

🌸今回の講座に参加してくれた方の声はこちらから

クラウドファンディングとは?

クラウドファンディング(crowdfunding)とは群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語です。
インターネットを通して自分の活動や夢を発信することで、想いに共感した人や活動を応援したいと思ってくれる人から資金を募るしくみです。
クラウドファンディングという言葉自体は比較的新しいですが、人々から資金を募り、何かを実現させるという手法自体は古くから存在していました。
寺院や仏像などを造営・修復するため、庶民から寄付を求める「勧進」などがその例です。
クラウドファンディングを行うためのサイトも幾つかあります。仕組みや手数料などそれぞれにおいて異なる特徴があります。


今後の講座開催情報

市民活動・NPOセンターでは、地域で活動する個人や団体を対象にまちづくりを行う際に大切な【情報発信】【資金調達】【企画】などについて学ぶ講座を開催します。それぞれのテーマに沿って全5回実施します。
地域で活動する個人や市民活動団体、まちづくりに関心のある方ならどなたでも参加できます。

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